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All for Australia League
オーストラリア連盟(すべてはオーストラリアのために連盟)
世界恐慌下、政府の景気回復政策に反対する諸団体が結集した議会外組織で、1931年初めにシドニーで結成され、後に他の州にも広がった。特に連盟の攻撃の矛先が向けられたのが、スカリン労働党連邦政府とニューサウスウェールズのラング労働党政府であった。労働党による「階級政治」、「マシーン政治」を強く批判し、その会員数は公称10万人に達した。
国および州の舵取りを行う然るべき指導者の不在を指摘し、自らこそがそのようなリーダーシップを提供できると主張した。政治責務、議員職務、対外債務支払いを強調し、オーストラリアの在野右派グループの常套句である帝国ならびにイギリス君主に対する絶対的忠誠を強調した。連盟の議会外運動に呼応する形で、1931年5月にジョゼフ・ライオンズを中心とするグループが労働党を離れ、国民党Nationalist Partyに加わり、統一オーストラリア党(UAP)が結成された。同年12月の連邦選挙で同党が大勝し政権の座に就くと、連盟は次第に党支部に吸収合併されていった。
宮崎章00